三月十二日

まるでドラゴンヘッドのようだ。
あるいは二十世紀少年
東京を動かしてる電車が止まったら、世界が少し終ったようだ。
人が溢れてる。
バスをまったり、寝床を探したり。
みんな急いでる。
私の部屋も友達カップルが帰れず、宿もどこも満室で泊りにきた。
少しの連帯感しか楽しみがないような、後は恐怖の世界。
テレビでは嘘みたいな映像。
垂れ流されて血の気が引く。
あの津波観たか?
あの黒い巨大な生き物が少しづつ首を絞めるように田畑を埋め尽くして押し流し吐き出してたよね?
コンビナートが爆発するし、原発もぶっ壊れ?
怖くて堪らない。
寝静まった今でさえ、ゆっくりと、揺れがおさまらない。
地震は、徐々に大きく揺れる。
だから隣にいる愛すべき人が、大丈夫と言っても、それはまだ私には言えない。
現実と地続きの恐怖、妄想を見て見ぬ振りすることを、予感を捨てているような気がしてならない。